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新そろ新聞 第158号

2019年05月26日
広報誌

新そろ新聞第158号

太陽商事 レバノンでそろばんより

中東各地では、子供の習い事として、そろばん教室が流行っているそうです。この教室はレバノンを拠点とするACMAS Genius Map社が開始したプロジェクトです。

ACMAS Genius Mapは、2009年、レバノン出身のハディ・ハムザ氏がベイルートにて創設しました。サウジアラビア、ヨルダン、バーレーン、エジプトやポルトガルなどで許可を取得し、そろばん教室を開いています。日本の国際珠算普及基金の一員となり、SHIN SOROBAN GAKUSHUUJUKUと援助協定を結んでいます。ACMAS Genius Map社は当初、3人で始まりましたが、現在は50人近くの従業員が働いています。

創設者のハディ氏は大学で機械工学を勉強し、大学生の時からレバノンの学校で数学の教師として勤めていました。レバノンの子どもたちの能力を発達させたいと思い、「数学と教育に深い興味を持っていた」彼はそろばんを習得しました。そこで、ハディ氏はレバノンの人々に本格的にそろばん技術を伝えるため、中国やインドに留学し、徹底的に習いました。帰国後、そろばん技術を次々とレバノンの教師に教えることで、広めようと考えていました。しかし、当時は小さい板で人の計算力を磨くことは誰にも信用されなかったため、この教育方針を浸透させるのは困難でした。まずは教室を開くため、中国のそろばんチェーン店の方針を導入しましたが、望んでいた成果にはたどり着けず、より良い成果を求めて、模索しました。そんな中出会ったのが日本でそろばん教室を運営する岡部秀夫氏でした。ハディ氏が来日し、岡部氏の指導で日本のそろばんを学びました。その後、岡部氏の指導で、レバノンの指導者向けそろばん教室が開催され、レバノンの子どもたちに日本のそろばんを教えることでハディ氏のプロジェクトが成功しました。

以前導入していた中国の方針と比べると、ハディ氏は「日本の指導の方がしっかりしていて、圧倒的に成果が高かった」と話しています。次第に教室に通う子どもが増え、2015年の時点でACMAS Genius Mapそろばん教室でレッスンを受けた生徒は3万人を超えています。2010年、ハディ氏が導入したプログラムは、国内の学校の一部が独自課程として導入しました。そして、レバノンに留まらず、世界の11か国でも導入されています。その理由は計算力が身に付くだけでなく、脳を鍛えることで、学校の勉強にも集中でき、優秀な子どもが増えたからです。

ハディ氏がACMAS Genius Mapのそろばん教室に掲げたのは「自分の子どもを連れて来れば、天才を連れて帰ることができる」というコンセプトです。ハディ氏はレバノンの人々にそろばん技術を伝えるだけではなく、レバノンの子ども、一人ひとりにその技術を教え、子どもを全員優秀にすることが目的なのです。そして、その子どもたちの中には暗算ワードカップに参加し、優勝した子が数人います。2014年にドイツで開催された暗算ワードカップには40か国から55人が参加し、優勝したのはACMAS Genius Mapの生徒である「ムハッマド・アルミール」でした。

2012年から現在までレバノンでは、日本人の指導による指導者向けそろばん講座が頻繁に開催されています。

2016年、ACMAS Genius Mapは中東全体で日本珠算検定試験を行う許可を正式に得ることが出来ました。

日本式のそろばん教育がレバノンだけではなく、中東各国でますます注目されることは間違いないでしょう。

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